





陶芸家・造形作家の内田鋼一が収集した食にまつわる古道具をコレクションする博物館<KATACHI museum>初の公式図録。古今東西から集められた数々の調理器具が収録されています。
食は人間にとって最も普遍的な営みであり、人類はこの地に誕生してから世界各地で様々な食文化を育んできました。鋭く研磨した石や木で獲物を捕獲していた狩猟採集時代から、電気で全てが完結する現代の最新家電に至るまで、道具には使われてきた地域の気候、風土、文化が根付いています。本書に収録されている調理道具は、かつてこの世界に暮らしていた誰かが使っていたものです。いつ、どこで、だれが、どのように使っていたのか想像しながら頁をめくってみてください。かつての作り手と使い手が、土地の気候と風土に適応しながら道具を生み出し、食材を調理してきた風景を追体験できるかもしれません。
民藝家の柳宗悦がアノニマスな道具に見出した「用の美」の思想を現代に伝える貴重な一冊になっています。
判型 W217×H264×D25(mm)246頁
著者: 内田鋼一
文:野村友里、井出幸亮
発行:内田鋼一
発行所:KATACHI museum
印刷・製本:渡邊製本株式会社
写真:松浦文生
編集:ギュメレイアウトスタジオ
装釘:猿山修
企画:(株)アクアイグニスアートマネジメント
〈VISON ヴィソン 〉
2021年7月、三重県多気郡多気町にオープン。
東京ドーム24個分(約119ha)の広大な敷地に、四季を感
じるホテル、日本最大級の産直市場、薬草で有名な多気町
にちなんだ薬草湯、和食の食材メーカーによる体験型店舗、
有名料理人が手掛ける地域食材を活かした飲食店舗、オー
ガニック農園など、約70店舗が出店する、多様性と専門性
を兼ね備えたこれまでにない大型複合商業施設です。
〈KATACHI museum〉
VISON敷地内にある食にまつわる博物館。
陶芸家・造形作家の内田鋼一が監修を務める本館は、時代
や国籍を問わず、かつて使われてきた調理器具を展示する。
館内ではあえて説明を最小限にとどめており、そのものが
なんであるかの捉え方は鑑賞者に委ねられている。導線も
設けない能動的な鑑賞の仕方は、まるで現代美術のインス
タレーションのようである。かつて、民藝家の柳宗悦がア
ノニマスな道具に見出した「用の美」に通ずる思想を持っ
た稀有な博物館になっている。
内田鋼一(うちだこういち)
1969年愛知県名古屋市生まれ。愛知県立瀬戸窯業高等学校
陶 専攻科修了後、東南アジアや欧米、アフリカ、南米な
どの世界各国の窯場やアトリエに住み込み、現地で作業を
しながら技術を身に付けた後、1992年三重県四日市市にア
トリエと窯場を構え独立。国内外の美術館やギャラリーに
て個展を中心に活動。著書に、作品 『UCHIDA
KOICHI』(求龍堂)『MADE IN JAPAN』(アノニマスタジ
オ)他、多数ある。2015年三重県四日市市に、明治から昭和
時代の産業遺産的な萬古焼をアーカイブした「BANKO
archive design museum」を開館。2019年日本陶磁協会
受 。2021年三重県多気町のVISONに、食に纏わる道具の
博物館「KATACHI museum」を開館、監修。